OSARTミッションは、当該加盟国の要請を受けてしか実施されず、運転管理に不可欠な項目の評価が対象である。ミッションは発電所の特定ニーズにあわせて調整される。包括的評価は、9つの運転分野が対象になる。すなわち、経営・組織・運営、訓練・資格、運転、保守、技術支援、運転経験フィードバック、放射線防護、化学、緊急時計画・対策である。個別のニーズにより、OSARTレビューは、特に関心のある分野を対象にすることもできれば、レビューテーマをすべて対象にすることもできる。 OSARTチームメンバーと発電所側のカウンターパートの作業における本質的特徴は、発電所の運転のあり方を国際的なベストプラクティスと比較することと、運転管理が強化できる方法を共同で探求することである。安全基準ならびに放射線防護基本安全基準をはじめとする、IAEA安全指針文書とOSARTチームメンバーの専門知識は、評価の基盤をなすものである。OSARTの手法には、文書調査や所員の面接だけでなく、パフォーマンスの質の評価も含まれる。運転組織が自らの安全目標を達成するうえで、様々な取り組み方があることが認められている。運転管理のさらなる強化に向けた提案には、ほかの原子力発電所で観察された良好事例が反映されている場合がある。 OSARTレビューの重要な一面として、改善が必要な分野の指摘と、これに対応する提案の策定がある、OSARTチームは、自らの見解を取りまとめるにあたり、運転組織と調査結果について協議し、発電所側のカウンターパートによる追加論評についても考慮する。勧告または推奨事項の実施は、運転組織による検討と特定条件への適応を経たうえで、全くの自由裁量に委ねられる。